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手取りとは?額面との違いと、引かれるお金の中身

更新日:2026-10-11 文:koyo

給与から差し引かれる社会保険料・所得税・住民税が、それぞれどう決まるのかを順番に説明します。

求人票や源泉徴収票に書かれている年収は「額面」で、税金や社会保険料が引かれる前の金額です。実際に口座に振り込まれるのはそこから差し引かれた残りで、これを一般に「手取り」と呼んでいます。会社員の場合、手取りはおおむね額面の75〜85%に収まりますが、年収が高くなるほど割合は下がっていきます。

差し引かれるのは大きく3種類

給与から引かれるものは、次の3つに分けられます。

  • 社会保険料:健康保険料、介護保険料(40〜64歳)、厚生年金保険料、雇用保険料、子ども・子育て支援金
  • 所得税:その年の所得にかかる国の税金。毎月概算で引かれ、年末調整で精算されます
  • 住民税:前年の所得にかかる都道府県・市区町村の税金。6月から翌年5月まで12回に分けて引かれます

年収600万円・独身・40歳未満・東京都の会社員なら、社会保険料が年88.1万円、所得税が年14.9万円、住民税が年30.7万円で、手取りは年466.2万円になります。この例では、引かれるお金の半分以上が社会保険料です。

社会保険料は「標準報酬月額」で決まる

健康保険と厚生年金の保険料は、毎月の給与そのものではなく、給与を区切りのよい金額に当てはめた「標準報酬月額」に料率をかけて計算します。たとえば月給50万円なら標準報酬月額は50万円、月給51万円でも50万円の等級に入ります。

標準報酬月額は、原則として毎年4〜6月に支払われた給与の平均で決まり、その年の9月から翌年8月まで使われます。残業代や通勤手当も含まれるため、4〜6月に残業が集中すると1年間の保険料が上がります。

2026年度の協会けんぽ(東京都)の料率は、健康保険が9.85%、厚生年金が18.3%です。これを会社と本人で半分ずつ負担するので、本人の負担は合わせて給与の約15%になります。2026年4月分からは、子ども・子育て支援金(0.23%、本人はその半分)も加わりました。

厚生年金には標準報酬月額65万円という上限があり、月給がそれを超えても保険料は増えません。年収が高い人ほど手取り率の下がり方がゆるやかになるのは、このためでもあります。

所得税は「控除を引いた残り」にかかる

所得税は、年収そのものではなく、いくつかの控除を差し引いた「課税所得」に税率をかけて計算します。順番は次のとおりです。

  1. 年収から給与所得控除を引いて「給与所得」を出す(2026年は最低74万円)
  2. 給与所得から社会保険料控除と基礎控除、扶養控除などを引いて「課税所得」を出す
  3. 課税所得に5〜45%の税率をかけ、復興特別所得税(2.1%)を加える

税率は課税所得が増えるほど段階的に上がりますが、上がった税率がかかるのは「その段階を超えた部分だけ」です。年収が少し上がって税率の段階が変わっても、手取りが減ることはありません。

住民税は1年遅れでやってくる

住民税は所得の10%(所得割)と、定額の均等割(5,000円)でできています。計算の仕組みは所得税とほぼ同じですが、基礎控除などの金額が少し小さいので、所得税より先に課税が始まります。

大きな違いは時期です。住民税は前年の所得をもとに計算され、6月から翌年5月にかけて引かれます。社会人1年目は住民税がかからず、2年目の6月から手取りが減るのはこのためです。転職や退職で収入が下がった年も、前年の高い所得にもとづく住民税を払うことになります。

年収別の手取り率

年収手取り手取り率うち社会保険料
400万円316.8万円79.2%598,956円
600万円466.2万円77.7%881,400円
800万円594.8万円74.3%1,164,960円
1,000万円727.4万円72.7%1,265,676円
1,500万円1,023.9万円68.3%1,556,784円

独身・40歳未満・東京都・賞与なしの場合です。年収が上がると所得税の税率が上がるため手取り率は下がりますが、厚生年金の上限があるため、一定の年収を超えると下がり方はゆるやかになります。自分の条件での手取りは手取り計算ツールで確認できます。

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