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退職金は一時金と年金、どちらで受け取ると得か

更新日:2026-10-11 文:koyo

退職所得控除と公的年金等控除の違い、受け取り方で変わる税金と社会保険料を比べます。

会社によっては、退職金を一度に受け取る「一時金」、何年かに分けて受け取る「年金」、その組み合わせから選べます。受け取る総額が同じでも、税金と社会保険料のかかり方が違うため、手元に残る額は変わります。

一時金:退職所得控除と2分の1課税

一時金で受け取った退職金は「退職所得」として、ほかの所得と分けて課税されます。勤続年数に応じた退職所得控除を差し引き、残りの半分だけが課税対象になるため、税負担はかなり軽くなります。

勤続年数退職所得控除額
20年8,000,000円
25年11,500,000円
30年15,000,000円
35年18,500,000円
38年20,600,000円
40年22,000,000円

勤続38年なら控除は20,600,000円で、退職金が2,500万円でも課税されるのは(2,500万円−控除)×1/2=2,200,000円だけです。税金は所得税と住民税を合わせて345,000円、手取りは2,465.5万円になります。勤続30年で3,000万円なら税金は1,861,800円です。

一時金には社会保険料がかかりません。また、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を出しておけば正しい税額が源泉徴収されるので、確定申告も原則不要です。

年金:公的年金等控除と社会保険料

退職金を年金形式で受け取ると、公的年金と合わせて「雑所得」として課税されます。65歳以上なら公的年金等控除が最低110万円ありますが、これは国の年金と共通の枠です。国の年金だけで控除の枠をほぼ使い切っている人は、企業年金の分がほとんどそのまま課税対象になります。

たとえば国の年金が年200万円の人の所得は900,000円ですが、企業年金が年100万円加わると所得は1,900,000円に増えます。所得が増えると、税金だけでなく国民健康保険料や介護保険料も上がります。年金形式は運用利回りが上乗せされる会社も多いので、その上乗せ分と、税金・保険料の増加分を比べて判断することになります。

どちらがよいかの考え方

  • 退職所得控除の範囲に収まる金額は、一時金で受け取ると税金も保険料もかかりません。
  • 控除を大きく超える場合は、超えた部分を年金で受け取る「併用」も選択肢になります。
  • 年金形式の利回りが高い会社では、税・保険料が増えても年金形式のほうが総額で多くなることがあります。
  • 60〜64歳で年金を受け取ると公的年金等控除が小さい(最低60万円)ため、税負担が増えやすくなります。

iDeCoや企業型DCとの受け取り時期

iDeCoや企業型確定拠出年金を一時金で受け取ると、これも退職所得になり、会社の退職金と退職所得控除を分け合う場合があります。2026年1月以降は、確定拠出年金の一時金を先に受け取ってから9年以内に会社の退職金を受け取ると、勤続期間の重複部分の控除が調整されるようになりました(以前は4年以内)。受け取る順番と時期によって税額が変わるので、退職前に一度試算しておくと安心です。

退職金の額と勤続年数から税金を計算するには退職金の税金計算を、年金の手取りは年金の手取り早見表をご覧ください。

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