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昇給しても手取りになるのは6〜7割 月3万円の昇給で増えるのは約2.1万円【2026年】

 文:koyo

この記事のポイント

  • 昇給分のうち手取りとして残るのは、40〜64歳の会社員でおおむね6〜7割
  • 年収600万円で月給が3万円上がると、手取りは最終的に月約2.1万円増える
  • 所得税は昇給した月から、社会保険料は数か月後から、住民税は翌年6月から上がる

昇給分から引かれる所得税・住民税・社会保険料の割合を年収別に計算。社会保険料は数か月後、住民税は翌年6月に上がるため、昇給直後より手取りの増え方は小さくなります。

昇給しても、上がった分がまるごと手取りになるわけではありません。増えた給与からは所得税・住民税・社会保険料が引かれ、40代・50代の会社員で手元に残るのはおおむね6〜7割です。年収600万円の人なら、昇給分の約71%が手取りになります。

もう一つ知っておきたいのが、税金と保険料が上がるタイミングがずれることです。昇給した月は手取りが大きく増えたように見えても、数か月後に社会保険料が、翌年6月に住民税が上がり、手取りの増え方は段階的に小さくなります。

昇給分のうち手元に残る割合(年収別)

年収手取りとして残る社会保険料所得税住民税
400万円75%16%3%6%
500万円75%16%3%6%
600万円71%16%7%6%
700万円62%16%15%7%
800万円68%6%17%8%
1,000万円65%6%19%9%
1,200万円62%6%22%9%

40〜64歳・独身・東京都(協会けんぽ)・賞与なしの場合です。社会保険料は給与の等級ごとに段階的に上がるため、実際の月々の増え方には多少の凹凸があります。所得税・住民税は、昇給分から社会保険料と給与所得控除の増加分を引いた額にかかります。年収が上がるほど所得税の税率が上がり、残る割合は下がっていきます。

月1万円の昇給で増える手取り(月額の目安)
年収400万円7,480円年収500万円7,480円年収600万円7,150円年収700万円6,180円年収800万円6,820円年収1,000万円6,520円年収1,200万円6,230円

年収700万円前後は、1,000万円の人より残りにくい

表で年収700万円の残る割合が800万円や1,000万円より低いのは、所得税の税率が20%に上がる一方で、厚生年金保険料もまだ上限に達していないためです。月給の「標準報酬月額」が65万円(年収およそ780万円)に達すると、それ以上昇給しても厚生年金保険料は増えなくなり、残る割合は68%前後に戻ります。年収700万円前後は、税金と社会保険料の両方が昇給分に満額かかる、手取りが増えにくい年収帯です。

手取りが増えるのは3段階:年収600万円で月3万円昇給した例

月3万円の昇給で増える手取り(月額)
昇給した月から+27,880円社会保険料が上がった後+23,380円翌年6月に住民税が上がった後+21,440円

月給50万円・賞与なし・40〜64歳・独身・東京都。所得税は年額の増加分を12で割った目安です。

昇給後に手取りが変わるタイミング
  1. 昇給した月

    所得税(源泉徴収)と雇用保険料が増える

    この例では月約2,130円

  2. 数か月後(4〜5か月目か、10月の給与)

    健康保険・厚生年金・介護保険料が上がる

    この例では月約4,500円。基本給が上がって標準報酬月額が2等級以上変わると、昇給から4か月目に改定(随時改定)。1等級以内なら4〜6月の給与で決まり、9月分から上がる

  3. 翌年6月

    住民税が上がる

    この例では月約1,930円。住民税は前年の所得で決まるため、1年遅れて増える

昇給直後は月27,880円増えた手取りが、最終的には月21,440円に落ち着きます。「昇給したのに数か月後に手取りが減った」と感じるのは、このずれのためです。給与明細の社会保険料が上がった月や、6月の住民税の通知を見て驚かないよう、増えた手取りをすぐに固定費に回さないのが安全です。

社会保険料が上がるのは損ではない

昇給で増える負担のうち、厚生年金保険料は将来の年金として戻ってきます。厚生年金の年金額は、加入していた期間の給与の平均で決まるため、昇給で保険料が上がれば65歳からの年金も増えます。どのくらい増えるかは年金の見込み額で年収を変えて確かめられます。

昇給分の手取りを増やすには

  • iDeCoの掛金を増やす:掛金は全額が所得控除になり、所得税と住民税が下がります。昇給で税率が上がった人ほど効果が大きくなります(iDeCoの節税額)。
  • ふるさと納税の上限を見直す:昇給すると上限額も上がります。前年と同じ額のままだと、使える枠を残すことになります(ふるさと納税の上限額)。
  • 4〜6月の残業に注意する:標準報酬月額は4〜6月の給与の平均で決まるため、この時期に残業代が多いと、その年の9月から1年間の社会保険料が高くなります。

年収によっては、昇給しても手取りがほとんど増えない境目もあります。自分の年収が当てはまるかどうかは10万円昇給しても手取りが増えない年収で確認できます。

出典・参考にした資料

記事中の金額は、これらの資料にもとづいて当サイトの計算ロジックで算出した概算です。

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