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医療費控除はいくら戻る? 医療費30万円なら年収800万円で約6万円、10万円未満でも使える人も

 文:koyo

この記事のポイント

  • 医療費控除の額は「医療費 − 保険で補てんされた額 − 10万円(所得200万円未満は所得の5%)」
  • 医療費30万円なら、年収500万円で約3万円、年収800万円で約6万円が所得税と住民税から戻る
  • 家族の医療費は合算でき、還付申告は5年前の分までさかのぼれる

医療費控除で戻るのは「10万円を超えた分にかかる税金」。年収と医療費別の還付額の早見表、家族の合算で得する申告の仕方、市販薬のセルフメディケーション税制との選び方。5年前の分までさかのぼれます。

1年間に払った医療費が10万円を超えると、確定申告で「医療費控除」を受けられます。戻ってくるのは払った医療費そのものではなく、10万円を超えた部分にかかっていた税金です。年収500万円の会社員が年20万円の医療費を払った場合、戻るのは所得税と翌年の住民税を合わせて約15,100円です。

「10万円を超えないと意味がない」と思われがちですが、家族の分を合算できるうえ、所得が少ない人は10万円より手前から使えます。市販薬をよく買う人向けの「セルフメディケーション税制」もあり、2027年分からは対象の薬が広がります。

控除額は「医療費 − 保険で戻った額 − 10万円」

医療費控除の額は、1年間(1月〜12月)に払った医療費から、保険会社の入院給付金や健康保険の高額療養費などで補てんされた額を引き、さらに10万円を引いた額です(上限200万円)。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく所得の5%を引きます。会社員なら年収約298万円未満がこれに当たり、たとえば給与所得が150万円なら7.5万円を超えた分から控除できます。

年収と医療費でいくら戻る?

1年の医療費年収300万円年収500万円年収800万円年収1,000万円
15万円7,600円7,500円15,200円15,200円
20万円15,100円15,100円30,400円30,500円
30万円30,200円30,200円60,900円60,900円
50万円60,400円60,400円121,700円121,700円

独身・40歳未満の会社員の場合の、所得税(復興特別所得税を含む)と翌年の住民税の合計です。所得税は確定申告後に口座へ振り込まれ、住民税は翌年6月からの天引き額が下がる形で戻ります。年収が高いほど所得税の税率が高いので、同じ医療費でも戻る額は増えます。

医療費30万円で戻る税金(年収別)
年収300万円30,200円年収500万円30,200円年収800万円60,900円年収1,000万円60,900円

控除額20万円(医療費30万円−10万円)の場合。

家族の医療費は、所得が多い人にまとめる

生計を一にする家族(配偶者や子、仕送りしている親など)の医療費は合算できます。共働きで夫婦とも税金を払っている場合は、所得税の税率が高い人がまとめて申告すると戻る額が大きくなります。ただし、配偶者の所得が少なく給与所得が200万円未満なら、その人が申告すれば「所得の5%」の基準を使えるので、10万円に届かない年でも控除を受けられることがあります。どちらが有利か、両方で計算してみる価値はあります。

対象になるもの・ならないもの

対象になる対象にならない
病院・歯科の診療費、処方薬健康診断・人間ドック(病気が見つかり治療した場合は対象)
治療のための市販薬(風邪薬、胃腸薬など)予防や健康維持のためのサプリメント・ビタミン剤
通院の電車・バス代(領収書がなくても記録があればよい)自家用車のガソリン代・駐車場代
歯の治療(インプラント、詰め物)美容目的の歯列矯正・ホワイトニング
介護保険の訪問看護・介護老人保健施設の費用の一部入院中の差額ベッド代(自分の希望で個室にした場合)

子どもの歯列矯正は、成長を妨げないための治療であれば対象になります。高額になりやすい出産費用も、出産育児一時金を差し引いたうえで対象です。

市販薬が多い人は「セルフメディケーション税制」

病院にはあまり行かないが市販薬はよく買う、という人向けの特例です。対象の市販薬(多くはパッケージに識別マークがあります)の購入費が年12,000円を超えた部分を、最大88,000円まで控除できます。健康診断や予防接種を受けていることが条件です。

  • 通常の医療費控除とはどちらか一方しか選べません。医療費が10万円を大きく超える年は通常の医療費控除、市販薬が中心の年はセルフメディケーション税制が有利です。
  • 2026年度の税制改正で、医療用から転用された「スイッチOTC医薬品」部分は期限がなくなり、それ以外も5年延長されました。2027年分からは、胃腸薬など対象の薬が広がります。

申告のしかた:5年前の分までさかのぼれる

医療費控除は年末調整では受けられないので、翌年の2月16日〜3月15日を目安に確定申告をします。税金を戻すだけの申告(還付申告)は1月から受け付けていて、5年前の分までさかのぼって申告できます。去年や一昨年に入院や出産があった人は、今からでも間に合います。

領収書の提出は不要で、「医療費控除の明細書」を添付します。マイナポータルと連携すれば、健康保険の医療費の記録を自動で読み込めます。ふるさと納税をワンストップ特例で済ませている人が医療費控除の確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になるので、寄附の分も申告書に書き込みます(ふるさと納税で損するケース)。

ほかにも会社員が確定申告で税金を取り戻せるケースは確定申告しないと損するケースに、医療費そのものの自己負担を抑える制度は高額療養費にまとめています。

出典・参考にした資料

記事中の金額は、これらの資料にもとづいて当サイトの計算ロジックで算出した概算です。

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