65歳以降に働くと年金は減る? 2026年4月から月65万円まで減らなくなった
更新日:2026-10-11 文:koyo
在職老齢年金の支給停止の基準が月51万円から65万円に。給与別に年金がいくら止まるかを計算。止まった年金は戻らず、繰下げでも増えません。
65歳を過ぎても会社員として働く人が増えています。このとき気になるのが「働くと年金が減る」という話です。正確には、給与と厚生年金の合計が一定額を超えると、厚生年金の一部が支給停止になります。この基準額は2026年4月に月51万円から65万円へ大きく引き上げられ、多くの人は働いても年金が減らなくなりました。
年金が止まるのは「合計65万円」を超えた分の半分
計算式は次のとおりです。
支給停止額(月額)=(厚生年金の月額+給与の月額相当額−65万円)÷ 2
- 厚生年金の月額は、老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額です。老齢基礎年金は止まりません
- 給与の月額相当額は、標準報酬月額に、直近1年間の賞与の12分の1を足した額です
- 65万円は2026年度の基準額で、毎年度の賃金の動きに応じて見直されます
給与別:年金はいくら止まるか
給与30万円停止なし給与40万円停止なし給与50万円停止なし給与55万円10,000円給与60万円35,000円給与70万円85,000円
| 給与の月額相当額 | 2025年度まで(51万円) | 2026年度(65万円) |
|---|---|---|
| 30万円 | 0円 | 0円 |
| 40万円 | 5,000円 | 0円 |
| 50万円 | 55,000円 | 0円 |
| 55万円 | 80,000円 | 10,000円 |
| 60万円 | 105,000円 | 35,000円 |
| 70万円 | 120,000円 | 85,000円 |
厚生年金が月12万円の人なら、給与が月53万円までは年金が全く減りません。2025年度までの基準(51万円)では、給与が月39万円を超えると減り始めていたので、働きながら年金を満額受け取れる範囲が大きく広がりました。
止まった年金は戻ってこない
支給停止になった分の年金は、あとから受け取ることはできません。また、年金を繰り下げて増やそうとしても、在職で止まっている分は増額の対象になりません。給与が高いまま70歳まで働く予定の人は、繰下げの効果が小さくなる点に注意が必要です(繰上げ・繰下げ早見表)。
働き続けると年金が増える面もある
65歳以降も厚生年金に加入して働くと、払った保険料の分だけ将来の年金が増えます。65歳以降は毎年1回、10月に年金額が再計算される「在職定時改定」があり、働いた分が翌年を待たずに年金に反映されます。70歳になると厚生年金の加入は終わります。
60歳から64歳で年金を繰り上げて受け取りながら働く場合も、同じ基準(65万円)で計算されます。60歳以降の再雇用で給与が下がったときの手取りは役職定年・再雇用の記事をご覧ください。