iDeCoで後悔しやすい5つのこと 年収200万円台なら節税は年数万円
更新日:2026-10-11 文:koyo
60歳まで引き出せない、手数料がかかり続ける、受け取るときに課税される。iDeCoのデメリットを金額で確認し、向いている人と向いていない人を整理します。
iDeCoは「掛金が全額所得控除になる」という大きな利点があり、2026年12月からは会社員の上限も月6.2万円に上がります。ただ、誰にとっても得な制度ではありません。始めてから後悔しやすい点を、金額で確認しておきます。
1. 60歳まで引き出せない
iDeCoのお金は、原則として60歳になるまで引き出せません。途中で住宅の頭金や子どもの学費が必要になっても使えず、掛金を止めることはできても、積み立てたお金は口座に残り続けます。手元の貯蓄が少ないうちに掛金を増やしすぎると、生活資金が足りなくなるおそれがあります。
2. 手数料が毎月かかり続ける
加入時に2,829円、加入後は最低でも月171円の手数料がかかります(国民年金基金連合会と信託銀行の分)。運用する金融機関によっては、さらに管理手数料がかかります。15年続けると、最低限の手数料だけで約33,609円です。掛金を出さずに運用だけを続ける期間(運用指図者)も、月66円の手数料がかかります。
3. 所得が低いと節税効果が小さい
節税額は所得税率に比例するので、年収が低い人ほど小さくなります。年収200万円台では年数万円にとどまり、手数料や「引き出せない不便さ」と比べると、NISAのほうが向いている場合もあります(新NISAの記事)。専業主婦(夫)など所得がない人は、所得控除の効果がありません。
4. 受け取るときに税金がかかる
掛金のときに税金が安くなる代わりに、受け取るときには課税されます。一時金で受け取ると退職所得になり、会社の退職金と同じ年に受け取ると退職所得控除の枠を分け合うことになります。
勤続38年で退職金2,000万円だけなら税金は0円ですが、同じ年にiDeCoの一時金1,000万円も受け取って合計3,000万円になると、税金は993,200円になります。受け取る時期をずらしたり、一部を年金形式で受け取ったりすることで、税負担を抑えられる場合があります(退職金の受け取り方)。
5. 元本割れの可能性がある
投資信託で運用すると、受け取る時点で相場が下がっていれば、掛金の合計を下回ることがあります。定期預金などの元本確保型を選べば元本割れは避けられますが、手数料を下回る利息しかつかない場合もあります。60歳以降は受け取りを最長75歳まで遅らせられるので、相場が悪いときに慌てて受け取らないことも大切です。
それでも向いている人
- 所得税率が10%以上(2026年は独身で年収およそ530万円以上)で、60歳まで使う予定のない貯蓄を持っている人
- 勤務先に企業年金がなく、2026年12月からの上限引き上げを使える人
- 退職金がない、または少ない人(退職所得控除を自分のiDeCoだけで使える)
年収ごとの節税額の詳細はiDeCoでいくら税金が安くなるかをご覧ください。