加給年金は年42万3,700円 5歳年下の配偶者なら総額約212万円【2026年度】
文:koyo
この記事のポイント
- 2026年度の加給年金は配偶者分で年42万3,700円(基本額24万3,800円+特別加算17万9,900円)
- 受け取れるのは配偶者が65歳になるまでで、5歳年下なら総額約212万円
- 老齢厚生年金を繰り下げている間は加給年金が支給されず、繰り下げても増えない
厚生年金20年以上で65歳時点に年下の配偶者がいると上乗せされる加給年金。2026年度の金額と条件、繰り下げると受け取れなくなる落とし穴、2028年度からの減額まで。
会社員として厚生年金に20年以上入っていた人が65歳になったとき、年下の配偶者を養っていると、老齢厚生年金に「加給年金」が上乗せされます。2026年度の額は配偶者分で年423,700円。月にすると約3.5万円で、年金の「家族手当」のような存在です。
ただし、受け取れるのは配偶者が65歳になるまで。夫婦の年の差がそのまま受給年数になるため、年の差が大きいほど総額は増えます。一方で、届け出を忘れたり、年金を繰り下げたりすると受け取れなくなる落とし穴もあります。
加給年金の額(2026年度)
| 対象 | 年額 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 配偶者(特別加算を含む) | 423,700円 | 35,308円 |
| 子(1人目・2人目) | 各243,800円 | 各20,317円 |
| 子(3人目以降) | 各81,300円 | 各6,775円 |
配偶者分は、基本額243,800円に、受け取る人の生年月日に応じた特別加算(昭和18年4月2日以後生まれは179,900円)を足した額です。いま65歳前後の人はすべて最も高い区分に当たります。子の加算は、18歳になった年度の3月末までの子(障害がある場合は20歳未満)が対象です。
夫婦の年の差で総額はここまで違う
2026年度の額が続くと仮定。本人が65歳になってから配偶者が65歳になるまでの合計です。
配偶者が5歳年下なら、約212万円を受け取れる計算です。同い年や配偶者が年上の場合は、本人が65歳の時点で配偶者がすでに65歳以上なので、加給年金はつきません。
受け取るための条件
- 本人の厚生年金の加入期間が20年(240か月)以上あること。19年11か月では対象になりません。
- 本人が65歳になった時点で、生計を維持している65歳未満の配偶者(または18歳年度末までの子)がいること。
- 配偶者の年収が850万円未満(所得655.5万円未満)であること。共働きでも、この基準を下回れば対象になります。
加給年金は自動ではつかないことがあります。65歳の年金請求のときに、戸籍謄本や配偶者の所得証明などを添えて届け出ます。対象なのにつかないまま気づかない人もいるので、65歳以降の年金額の通知書に加給年金額が書かれているか確認しましょう。
受け取れなくなる3つの落とし穴
1. 老齢厚生年金を繰り下げると、その間はもらえない
年金を70歳まで繰り下げると42%増えますが、加給年金は繰り下げている間は支給されず、繰り下げても増えません。5歳年下の配偶者がいる人が老齢厚生年金を70歳まで繰り下げると、約212万円の加給年金をまるごと受け取れないことになります。繰り下げたい場合は、老齢基礎年金だけを繰り下げ、老齢厚生年金は65歳から受け取る方法があります。こうすれば加給年金は受け取りながら、基礎年金を増やせます(繰下げの損益分岐)。
2. 配偶者が自分の厚生年金(20年以上)を受け取ると止まる
配偶者自身が厚生年金に20年以上加入していて、その老齢厚生年金を受け取れるようになると、加給年金は支給停止になります。昭和41年4月1日以前生まれの女性は63〜64歳から「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れるため、配偶者が厚生年金に20年以上入っていると、加給年金は65歳より前のその時点で止まります。配偶者が年金を繰り上げて受け取った場合も、その時点で止まります。
3. 本人が65歳時点で厚生年金が20年に届いていない
厚生年金の加入期間が20年にわずかに足りない人は、60歳以降も会社員として働いて加入期間を延ばすことで、条件を満たせる場合があります。ねんきん定期便で加入月数を確認しておきましょう。
配偶者が65歳になると「振替加算」に切り替わる……人もいる
配偶者が65歳になると加給年金は終わり、代わりに配偶者自身の老齢基礎年金に「振替加算」がつく場合があります。ただし振替加算は、配偶者が昭和41年4月1日以前生まれの場合に限られます。それより後に生まれた配偶者には振替加算はなく、加給年金が終わった分だけ世帯の年金がそのまま減ります。
2028年度からは配偶者分が減る
2026年度
配偶者分 年423,700円(現行)
2028年4月〜
新たに受け取り始める人の配偶者分が約1割減
2025年の年金制度改正で決定。すでに受け取っている人は対象外
2028年4月〜
子の加給年金は増額し、3人目以降も1人目・2人目と同額に
共働き世帯が増えたことを受けて、2025年に成立した年金制度改正法で、配偶者の加給年金は2028年度以降に新しく受け取る人から約1割減ることが決まっています。逆に子の加算は増額されます。老後の資金計画では、加給年金を「配偶者が65歳になるまでの一時的な上乗せ」と考え、それが終わった後の夫婦の年金額で生活費を見積もるのが安全です(老後に毎月いくら足りないか)。
出典・参考にした資料
記事中の金額は、これらの資料にもとづいて当サイトの計算ロジックで算出した概算です。