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年金は何歳から受け取ると得?

お金の分かれ道シミュレーター

年金は70歳まで遅らせると42%増え、75歳なら84%増えます。よく言われる「70歳開始は81歳11か月より長生きすれば得」という計算は、額面の年金で比べたものです。でも実際に使えるのは、所得税・住民税・国民健康保険料・介護保険料を引いた手取りです。

年金が増えると、これらの税金と保険料も増えます。手取りで比べ直すと、年金150万円の人が70歳から受け取る場合の損益分岐は85歳10か月。額面より約4年遅くなります。あなたの年金額で計算してみてください。

万円
歳

87歳まで生きる場合、手取りの累計がいちばん多くなるのは

70歳から受け取る

開始年齢年金(額面)手取り87歳までの手取り累計65歳開始と並ぶ年齢(手取り)
60歳159.6万円147.7万円3,989万円84歳4か月
62歳179.8万円163.5万円4,087万円86歳10か月
63歳189.8万円171.6万円4,118万円88歳10か月
65歳210.0万円186.0万円4,092万円—
66歳227.6万円199.0万円4,179万円80歳4か月
68歳262.9万円225.6万円4,287万円82歳1か月
70歳298.2万円252.4万円4,291万円84歳1か月
72歳333.5万円278.4万円4,177万円86歳2か月
75歳386.4万円321.8万円3,862万円88歳9か月

額面だけで比べた損益分岐年齢は、70歳開始で81歳11か月、60歳開始で80歳10か月です。手取りは単身・東京都特別区・年金収入のみの概算で、加給年金や働きながら受け取る場合の在職老齢年金は含めていません。

額面と手取りで、損益分岐はこれだけ違う

65歳からの年金70歳開始(額面)70歳開始(手取り)75歳開始(手取り)60歳開始(手取り)
年150万円81歳11か月85歳10か月90歳6か月80歳8か月
年210万円81歳11か月84歳1か月88歳9か月84歳4か月
年300万円81歳11か月82歳9か月87歳11か月83歳4か月

繰下げで年金が増えると、住民税がかかり始めたり、国民健康保険料の軽減がなくなったりするため、増えた分がまるごと手元に残るわけではありません。特に年金が年150万〜200万円前後の人は、この影響が大きく出ます。反対に、繰上げで年金が減ると税金と保険料も減るので、60歳開始の不利は額面ほど大きくありません。

何歳まで生きるかの目安

2024年の簡易生命表では、60歳の人の平均余命は男性で約23.6年、女性で約28.9年です。平均的には男性は83〜84歳、女性は89歳前後まで生きる計算です。男性で手取りの損益分岐が85歳を超えるなら、繰下げは「長生きしたときの保険」と考えるほうが正確です。

繰下げの本当の価値は、損益分岐を超えるかどうかよりも、長生きしても年金が一生増えたまま続くことにあります。貯蓄で65〜70歳の生活費をまかなえるなら、繰下げは長生きのリスクへの備えになります。逆に、貯蓄が少なく65歳から生活費が足りないなら、無理に繰り下げる理由はありません(老後は毎月いくら足りないか)。

繰下げで損をしやすい3つのケース

  • 年下の配偶者がいて加給年金がもらえる人:老齢厚生年金を繰り下げている間は加給年金(年約42万円)が出ません。基礎年金だけを繰り下げる方法があります(加給年金の条件と金額)。
  • 65歳以降も高い給料で働く人:在職老齢年金で止められる分は、繰り下げても増えません(65歳以降に働くと年金は減るか)。
  • 持病があり、長生きの見込みが低いと考える人:繰下げ中に亡くなると、遺族が受け取れるのは65歳時点の額で計算した未支給年金(さかのぼれるのは5年分まで)で、増えた分は受け取れません。

読んだら、やること

  1. 1ねんきんネットかねんきん定期便で、65歳から受け取る場合の年金額を確認する
  2. 2その額を上のシミュレーターに入れ、手取りで何歳開始が得かを見る
  3. 365〜70歳の生活費を貯蓄でまかなえるか計算し、繰下げできる期間を決める
  4. 4繰り下げる場合は、65歳の年金請求のときに繰下げを選ぶ(請求しなければ自動的に繰下げ待機になる)65歳の誕生月の前後

こんな人は、やらなくて大丈夫

  • 65歳からの生活費が年金と貯蓄でぎりぎりの人は、繰下げにこだわらず65歳から受け取って大丈夫です

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